こんにちは!cocoです。
突然ですが、あなたはこんな研究結果を知っていますか?
アメリカの研究で、
コカ・コーラと、ペプシのラベルを隠した状態で、コカ・コーラファンの人にテイスティングを行ない、脳の反応の違いを検証した研究です。
参考:https://orsj.org/wp-content/corsj/or61-7/or61_7_429.pdf
実際その結果になりました。
ここで面白いのが、
ラベルを隠した状態では脳の反応は変わらなかったということです。
ん?どういうこと?
と思いますよね。
ラベルを隠す →脳の反応はペプシと変わらない
ラベルが見える →ペプシより活発に脳が反応
ラベルが見えるから脳が反応したんです。
つまり、コカ・コーラファンは「コーラの味が美味しいから」満足しているわけではなかったんです。
コカ・コーラのブランディングである「さわやかさ・弾けるポップなイメージ」を連想させながらコーラを飲むから、脳が反応して、ファン(また飲みたい!)となるわけです。
この研究結果から学べることは、
ビジネスで勝つためには「味の勝負ではない」ところでの戦略が重要であるということです。
それを言われると本末転倒な感じもしますが、
ブランディングというのは、それほど威力のある効果が期待できるのです。
今回はそのブランディングについて解説します。
ぜひ明日からの業務にお役立ていただけますと幸いです。
ブランディングとは
ブランディングの定義
製品やサービス、企業が持つ
・イメージ
・認知度を高めるための戦略
・プロセス
を指します。
具体的には、顧客や消費者に対して、他の競合製品やサービスと差別化された独自の価値や個性を伝えることを目的としています。
メリット
信頼を築くことができる
ブランディングがしっかりしていると、人々はあなたやあなたの製品・サービスに信頼を寄せやすくなります。一貫性があるものには安心できるからです。
例えば、オイシックスの場合、
・農家さんの顔が見える
・安心基準を満たしている食品を提供している
というメッセージが一貫しています。一貫性があるものには安心できる人の心理を掴めます。
引用:オイシックス公式
品質以外の部分で他社と差別化する
ブランディングをすると、他の同じようなものと区別がつきやすくなります。
今の時代「機能的な側面」だけでは競合との差がつきにくいし、差別化できないと「価格競争」で戦うしかなくなるからです。
例えばスターバックスの場合、「サードプレイス(第3の居場所を作る)」が接客、カップや、内装、席の配置などに一貫して追求されているため、他にはない唯一無二のカフェとなります。
その差別化によって、プレミアム価格での提供だったとしても人はそれを求めます。
引用:スターバックスコーヒージャパン公式
感情に訴えることができる
ただ物を売るだけでなく、感情的なつながりを強化します。人は共感したものの方が、機能的な価値を覚えるより強く記憶に残すからです。
たとえば、お気に入りのブランドの服を着ると、「これを着ると自分が素敵に見える」と感じることや、創始者の理念や人生への姿勢に共感して「自分に自信が持てるようになる」経験したことあるのではないでしょうか。これは、そのブランドが持つイメージがあなたの感情に影響を与えているからです。
引用:ワーナー・ブラザーズ公式
マーケティング効果の最大化を図れる
ブランドが確立されると、マーケティング活動がより効率的になり、広告やプロモーションの効果が高まります。一貫したデザインで訴求ができるようになるからです。
例えば、ナイトケアシャンプーYOLUの場合「ナイト(夜)」を前面に押し出し、他のシャンプーと並べていても負けない存在感となります。これは「夜間美容」の商品・ブランドコンセプトが確立されているからです。
引用:YOLU公式サイト
従業員のモチベーション向上
強いブランドは、従業員に対しても誇りや目的意識を提供し、仕事に対するモチベーションを高める効果があります。
例えば、ディズニーランドのキャストの場合、結構体力の使う仕事だとわかっていても、キャストみんながキラキラ働いています。働く一人一人がディズニーの目的を理解し、来場したお客様を喜ばせることを第一に考えてくれていることがお客様に届く。その結果「また行きたい」となるのです。
引用:ディズニーキャスト採用サイト
デメリット
高いコストと時間の投資
ブランディングには、広告、デザイン、プロモーション活動など、多くのリソースが必要です。そのため、初期投資が大きく、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。
一貫性の維持の難しさ
ブランドの一貫性を維持するためには、全ての販売動線上や顧客接点で統一されたメッセージを発信する必要があります。これを怠ると、ブランドイメージが曖昧になり、信頼が損なわれる可能性があります。
ブランディングの効果が測りにくい
ブランディングの効果を数値化することが難しく、投じた金額に対する費用対効果を正確に評価することも困難です。そのため、効果が不明確なまま投資を続けるリスクも存在します。
これらが中小企業には難しいハードルとなっています。。
ブランディング種類
ブランディングの種類分けをすると無数にありますが、ここでは3つに分けて紹介します。
企業ブランディング
企業全体のブランドイメージを形成するためのブランディングです。
企業のビジョン、ミッションや価値観などを強調し、顧客やステークホルダー(企業のあらゆる利害関係者)に対して信頼感や誠実さを伝えることを目的とします。
引用:NIKKEI
商品・サービスブランディング
特定の製品やサービスに対して行うブランディングです。
製品の競合他社にない自社独自 の売り(強み)、付加価値、差別化策などの価値を強調し、他の製品と差別化を図ることを目的とします。
引用:LOVOT公式
パーソナルブランディング
個人のスキル、経験、パーソナリティをブランドとして確立するためのブランディングです。ビジネスリーダーなどが、自分自身をブランド化し、他者に影響を与えることを目的とします。
引用:Re.muse公式
ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングは、感情や価値観に訴える「どんな存在であるか、約束の確立」を長い期間をかけて築き上げるものに対して、マーケティングは具体的に「どうやって売るか」を短期的試験し、PDCAを回していきます。
例えば、ブランディングを「家」だとした時に、マーケティングは「その家にどうやって人を招待するのか」の違いになります。
ブランディングの威力を使って、効果的なマーケティングを行うことが、今後の発展の鍵です。
ブランディングの作り方(8ステップ)
1、ブランディングの目的とビジョンを明確にする
•目的を設定: まず、あなたのブランドが何を目指しているのかを明確にします。これはビジネスの存在意義や社会的な使命にも関わる部分です。
•ビジョンを描く: 将来的にどんなブランドになりたいのか、そのビジョンを描きます。
2、ターゲットオーディエンスを理解する
•顧客のペルソナを作成: ブランドが誰に向けて発信されるのかを理解するために、ターゲットオーディエンスの詳細なペルソナ(年齢、性別、ライフスタイル、価値観など)を作成します。
•市場調査: 顧客が求めているものや、どんな問題を抱えているのかを把握するために市場調査を行います。
3、ブランドの核となる信念を定義する
•価値観を設定: ブランドが持つべき信念(たとえば、信頼、品質、イノベーションなど)を定義します。これがブランドのアイデンティティの核となります。
•ブランドの声(トーン)を決める: ブランドがどのようなトーンでコミュニケーションを取るかを決めます。カジュアルで親しみやすい友人のポジションか、プロフェッショナルで権威あるポジションから話すかの設定のことです。
4、ブランドのビジュアルアイデンティティを構築する
•ロゴデザイン: ブランドの顔となるロゴをデザインします。
•カラーパレットとフォントの選定: ブランドが一貫して使う色やフォントを決めます。これにより、視覚的な一貫性が生まれます。
•ビジュアルスタイルガイドラインの作成: これには、写真のスタイルや、レイアウトの使い方、グラフィックの使用方法などが含まれます。
5、ブランドメッセージを作成する
•タグライン(キャッチフレーズ)を作成: ブランドのエッセンスを一言で表すフレーズを作ります。
•ストーリーテリング: ブランドの背後にあるストーリーや、なぜこのブランドが存在するのかを伝える方法を考えます。
6、ブランドの一貫性を保つ
•全チャネルでの一貫性を確保: ウェブサイト、SNS、広告、製品パッケージなど、すべての顧客接点でブランドメッセージやビジュアルが一貫していることを確認します。
•従業員への教育: ブランドの価値観やビジョンを従業員にも共有し、全員がブランドを体現できるようにします。
7、ブランドのパフォーマンスを測定し、調整する
•フィードバックの収集: 顧客や市場からのフィードバックを定期的に収集し、ブランド戦略の改善に役立てます。
•KPIの設定: ブランドの成功を測るための具体的な指標を設定し、ブランドの影響を定量化します。
8、ブランドを進化させる
•トレンドや市場の変化に対応: 時代の変化や新たな競争相手に対応するために、ブランドを進化させる必要がある場合があります。
•再ブランディングの検討: 必要に応じてブランドのリフレッシュや再ブランディングを行います。
成功例(パーソナルブランディング)
今、中小企業こそ必要なパーソナルブランディングの成功例を紹介します。
オーダーメイドスーツ専門店
Re.muse代表取締役 勝友美 社長
– ブランドコンセプト –
100年先も愛されるブランド
– ミッション –
人を自信で包み、生き方に影響を与え、世界を変える英雄を生み出す
単にモノを提供するのではなく、スーツに袖を通したお客様が自己実現を叶えていくために必要な、「自信」をスーツと共に提供し、成功へのターニングポイントとなるよう貢献します。
そうして、目に見えない想いをスーツで表現し、個人と世の中の発展に貢献していきたいと思っています。
引用:Re.muse公式
勝社長の生き方や言葉1つ1つに魂が込められており、動画を見ている人・実際に会った人たちを強烈に惹き込みます。その姿は多くの人の背中を後押し、彼女の想いに触れたいから「いつかRe.museのオーダーメイドスーツを作りたい」という夢が生まれる人も少なくない。
ちなみに私もその一人です。
みんな苦しい局面に立たされると、辞めたくなったり、逃げ出したくなる時がある。
そんな経験をしている人ほど、どんな状況でも真正面から向き合う勝社長の「貫く力」の凄さを思い知ることになる。
ここまで強くなるまでに彼女はこれまでどれだけの悔し涙を流したんだろう。と想像してみる。
厳しい面だけでなく、実際は気さくでチャーミングな人柄だということもSNSで見て親近感も生まれる。そうやって尊敬や共感の想いがブランドのファンとなる。
ファンは「その企業から商品を買うための行動」に移るため、売り込む戦略を取る必要がない。
代表著書
これがパーソナルブランディング効果です。
機能的な差別がしにくく、違いの説明さえ億劫に思われてしまう今、中小企業が戦っていくために1番効果的な「パーソナルブランディング」から始めてみてはいかがでしょうか。
どういう打ち出し方をするか決まったら、
実際にSNS発信の仕方が気になりますよね。
その際におすすめの一冊をご紹介します。